注文住宅の月々の支払いはどうシミュレーションする?

注文住宅の月々の支払いはどうシミュレーションする?

注文住宅の月々の支払いは、住宅ローンの返済額だけでなく、土地・建物の費用、諸費用、税金、保険、維持費まで含めてシミュレーションします。まず「借入額・金利・返済期間」を決めてローン返済額を計算し、その後にローン以外の毎月の負担を加えると、実際の住居費を把握しやすくなります。

注文住宅の月々の支払いは何で決まる?

月々の支払いを大きく左右するのは、次の5項目です。

  • 土地と建物を合わせた総額
  • 頭金や自己資金の金額
  • 住宅ローンの借入額
  • 金利と返済期間
  • 住宅ローン以外の維持費

注文住宅では、本体工事費だけでなく、土地代、付帯工事費、設計費、各種申請費、登記費用、住宅ローンの諸費用なども必要になります。建物の見積もりだけで借入額を決めると、あとから必要な資金が増える可能性があります。

最初に注文住宅の総費用を整理する

シミュレーションでは、次の式で住宅取得に必要な総額を整理します。

総費用 = 土地代 + 建物工事費 + 付帯工事費 + 諸費用 + その他の必要資金

付帯工事費には、地盤改良、外構、給排水工事、解体工事などが含まれる場合があります。どの費用が見積もりに含まれているかは会社や契約内容によって異なるため、項目ごとに確認してください。

総費用のうち、自己資金で支払う金額を差し引いたものが、住宅ローンの借入額の目安です。

借入額の目安 = 総費用 − 自己資金

ただし、自己資金をすべて頭金に充てると、引っ越し費用や家具・家電、予備費が不足することがあります。手元に残す資金も考えて、頭金の金額を決めることが大切です。

住宅ローンの月々の返済額を計算する

住宅ローンの返済額は、借入額、金利、返済期間、返済方法によって変わります。一般的な元利均等返済では、毎月の返済額が原則として一定になるように計算します。

シミュレーションでは、少なくとも次の条件を入力します。

  • 借入額
  • 適用金利
  • 返済期間
  • 返済方法
  • ボーナス返済の有無と金額

ボーナス返済を利用すると毎月の返済額は下がりますが、ボーナスの支給額や勤務状況によって家計が変わるリスクがあります。まずはボーナス返済なしで返済できるかを確認し、利用する場合も金額を大きくしすぎないことが重要です。

仮定例:借入額3,500万円で試算する場合

たとえば、以下の条件を置いて月々の返済額を試算します。これは説明のための仮定例であり、実際の借入条件や返済額を示すものではありません。

  • 借入額:3,500万円
  • 返済期間:35年
  • 返済方法:元利均等返済
  • ボーナス返済:なし
  • 金利:仮に年1.0%、年2.0%、年3.0%で比較
比較項目 年1.0% 年2.0% 年3.0%
毎月返済額 計算ツールで確認 計算ツールで確認 計算ツールで確認
総返済額 計算ツールで確認 計算ツールで確認 計算ツールで確認

金利が上がると、同じ借入額・返済期間でも毎月返済額と総返済額は増えます。具体的な金額は、利用する金融機関の金利、融資手数料、団体信用生命保険の条件などを入力して確認してください。

ローン以外の月々の支払いも加える

住宅ローンの返済額だけでは、注文住宅に住み始めた後の月々の負担は判断できません。次の費用も毎月の住居費として見込んでおきます。

費用 確認する内容
固定資産税・都市計画税 市区町村による税額、土地と建物の評価、軽減措置の適用期間
火災保険・地震保険 保険料、契約期間、補償内容、更新時期
修繕費 外壁、屋根、給湯器、設備などの将来修繕
管理・維持費 自治会費、浄化槽の維持費、庭や外構の管理費など
駐車場・交通費 駐車場代、通勤や通学に必要な交通費

税金や保険料は、実際には年払いまたは数年分の一括払いになることがあります。その場合も、年間の金額を12で割って、月々の家計に積み立てる形で考えると支払い時期に慌てにくくなります。

実質的な月々の住居費 = 住宅ローン返済額 + 税金の月割り + 保険料の月割り + 修繕・維持費の積立額

注文住宅の支払いシミュレーションをする手順

  1. 土地代と建物関連費用を分けて書き出す。本体工事費だけでなく、付帯工事費、外構費、設計費、申請費なども確認します。
  2. 諸費用と入居後に必要な費用を加える。登記、住宅ローン、引っ越し、家具・家電など、契約前後に発生する費用を整理します。
  3. 手元に残す自己資金を決める。預貯金の全額を頭金にせず、生活費や予備費を差し引いて使える金額を考えます。
  4. 借入額を計算する。総費用から、実際に住宅購入へ充てる自己資金を差し引きます。
  5. 金利と返済期間を変えて比較する。希望する条件だけでなく、金利が上がった場合や返済期間を短くした場合も試算します。
  6. ローン以外の費用を月額に直して加える。固定資産税、保険、修繕費などを含め、毎月の住居費を算出します。
  7. 現在の家計と将来の支出を照らし合わせる。教育費、車の買い替え、転職や育児による収入変化などを考慮します。

計算後は、入力した借入額、金利、返済期間、税金や保険の見込み額を見直してください。数字を変更したときに月々の支払いと総返済額がどう変わるかを比較すると、予算を調整しやすくなります。

月々の支払いは「借りられる額」ではなく「返せる額」で決める

金融機関が融資できる金額と、家計から無理なく返済できる金額は同じとは限りません。借入可能額を上限にすると、固定資産税や教育費、修繕費などを支払った後の生活費が不足するおそれがあります。

判断するときは、住宅ローン返済額だけでなく、住宅関連の支出全体を手取り収入と比べます。将来、収入が減る可能性や支出が増える時期がある場合は、その時期でも支払えるかを確認してください。

特に、次の条件では複数のケースを比較することが必要です。

  • 変動金利を選ぶ予定がある
  • ボーナス返済を利用する
  • 共働きの収入を前提にしている
  • 子どもの進学や車の購入を予定している
  • 土地や建物の価格がまだ確定していない

シミュレーションで見落としやすい費用

注文住宅では、契約後に追加工事や仕様変更が発生することがあります。コンセントの追加、照明、カーテン、エアコン、外構、地盤改良などが見積もりに含まれているかを確認しましょう。

また、住宅ローンの表示額に融資手数料や保証料が含まれていない場合があります。金利だけでなく、初期費用、団体信用生命保険の上乗せ、繰り上げ返済手数料なども金融機関ごとに確認してください。

固定金利期間選択型や変動金利型では、将来の金利や返済額が現在の試算から変わる可能性があります。将来の金利を断定することはできないため、金利が上がった場合の返済額も確認しておくと判断材料になります。

注文住宅の月々の支払いを判断するポイント

最初に、土地・建物・諸費用を含めた総額を確定に近づけます。次に、借入額と金利、返済期間から住宅ローン返済額を計算し、税金・保険・修繕費を加えて実際の月々の住居費を出します。

そのうえで、現在の手取り収入だけでなく、将来の教育費や車の維持費、収入が減る時期も含めて返済可能かを確認してください。無理なく返せる借入額は、借りられる上限額より低くなることがあります。

まずは「総費用」「自己資金」「借入額」「金利」「返済期間」「ローン以外の月額費用」を1枚にまとめ、金利や収入が変わった場合の複数パターンを比較することから始めましょう。