注文住宅の資金調達方法には何がある?

注文住宅の資金調達方法には何がある?

注文住宅の資金調達方法は、自己資金、住宅ローン、つなぎ融資、親族からの援助、補助金・助成制度などです。実際には、土地代・着工金・中間金・建物完成時の支払い時期が異なるため、住宅ローンだけでなく、支払いのタイミングまで含めて計画する必要があります。

注文住宅で利用できる主な資金調達方法

方法 主な用途 確認したい点
自己資金 頭金、諸費用、土地代や工事費の一部 手元に残す生活予備費とのバランス
住宅ローン 土地購入費、建築費、一定の諸費用 借入可能額、返済額、融資実行の時期
つなぎ融資 住宅ローン実行前の土地代、着工金、中間金 金利、手数料、返済時期、利用条件
親族からの資金援助 頭金や建築費の一部 贈与か借入か、税務上の扱い
補助金・助成制度 省エネ設備などの対象工事費の軽減 申請時期、対象要件、予算、交付時期

自己資金で用意する費用

自己資金は、頭金だけでなく、住宅ローンの対象にならない費用や、融資実行前に支払う費用にも使います。注文住宅では、次のような費用が発生することがあります。

  • 土地の手付金や購入時の諸費用
  • 工事請負契約時の申込金や手付金
  • 着工金、中間金
  • 登記費用、印紙税、融資手数料など
  • 引っ越し費用、家具・家電費用
  • 地盤調査・地盤改良、外構工事などの追加費用

自己資金をすべて住宅に使うと、入居後の生活費や修繕費が不足する可能性があります。頭金をいくら入れるかは、貯蓄額だけでなく、入居後も残す生活予備費を差し引いて判断してください。

住宅ローンで土地代と建築費を調達する

住宅ローンは、注文住宅の主な資金調達方法です。金融機関によって、土地と建物をまとめて借りるタイプ、土地分と建物分を分けて借りるタイプ、諸費用を借入対象に含められるタイプなどがあります。

ただし、借りられる金額と、無理なく返済できる金額は同じではありません。審査では年収、勤務状況、他の借入、物件の担保評価などが確認されますが、審査に通る借入額をそのまま予算にすると、教育費や修繕費などが不足するおそれがあります。

予算を決めるときは、住宅ローンの返済額だけでなく、固定資産税、火災保険、団体信用生命保険の扱い、将来の修繕費なども含めて家計を確認します。

つなぎ融資で、住宅ローン実行前の支払いに対応する

注文住宅では、住宅ローンの融資実行より前に、土地代や着工金、中間金の支払いが必要になることがあります。このときに利用される代表的な方法が、つなぎ融資です。

つなぎ融資は、後で実行される住宅ローンまでの一時的な借入です。住宅ローンが実行されたら、その資金でつなぎ融資を返済する形が一般的ですが、商品によって仕組みは異なります。

利用を検討するときは、次の項目を金融機関に確認してください。

  • 土地代、着工金、中間金のどこまで対象になるか
  • 借入期間と利息の支払い方法
  • 融資手数料や事務手数料
  • 住宅ローンが予定どおり実行されなかった場合の扱い
  • 建築会社が指定する支払い日までに間に合うか

つなぎ融資を利用できるかどうかは、金融機関や住宅ローンの商品によって異なります。住宅ローンの仮審査だけでなく、着工金などの支払い方法も早めに確認しましょう。

親族からの援助や借入を利用する場合

親や祖父母から資金援助を受けて、頭金や建築費に充てる方法もあります。ただし、無償で受け取る場合は贈与、返済する前提なら借入として扱われる可能性があり、契約内容と実際のお金の流れを明確にする必要があります。

住宅取得に関する贈与税の特例は、適用時期や住宅の性能、贈与を受ける人の条件などによって異なります。利用できると決めつけず、贈与を受ける年の制度と申告要件を税務署や税理士に確認してください。

親族から借りる場合は、借入額、返済期間、利息、返済日を記載した契約書を作り、実際に契約どおり返済します。返済の実態がないと、税務上、贈与とみなされる可能性があります。

補助金や助成制度は「資金調達」と分けて考える

省エネ性能の高い住宅や、特定の設備を導入する住宅では、国や自治体の補助金・助成制度を利用できる場合があります。ただし、補助金は申請すれば必ず受け取れるものではありません。

  • 対象となる住宅性能や設備
  • 申請者と申請時期
  • 登録された事業者を通じた申請が必要か
  • 着工前の申請が必要か
  • 予算上限や受付終了の有無
  • 補助金が交付される時期

補助金は後から交付されることもあるため、土地代や工事費の支払いにそのまま使えるとは限りません。補助金を受け取る前の資金を、自己資金やローンで用意できるか確認してください。

資金調達方法を決める順番

  1. 土地代・建築費・諸費用を分けて見積もる。外構工事や地盤改良など、契約後に金額が変わる可能性がある費用も確認します。
  2. 支払い時期を一覧にする。土地契約時、土地決済時、着工時、中間時、完成時の必要額を整理します。
  3. 手元に残す資金を先に決める。生活費や入居後の予備費を残したうえで、頭金に回せる金額を計算します。
  4. 住宅ローンの事前審査を受ける。借入可能額だけでなく、金利タイプ、返済期間、融資実行の条件を確認します。
  5. 融資実行前の支払い方法を決める。自己資金で足りない場合は、つなぎ融資や分割融資の利用条件を確認します。
  6. 親族からの援助や補助金を使う場合は、税務・申請条件を確認する。受け取れる予定の金額を、確認前から確定資金として扱わないことが大切です。

資金調達で特に注意したいこと

注文住宅の予算は、建物本体価格だけで決めないでください。土地代、付帯工事費、外構費、諸費用、引っ越し費用まで含めた総額で比較する必要があります。

また、住宅ローンの審査に通った後でも、建築費の増額や工期の延長によって資金が不足することがあります。見積書に含まれていない工事、追加仕様の単価、変更時の精算方法を契約前に確認しておくと、予算のずれを抑えやすくなります。

最初に行うことは、建築会社から「いつ、いくら支払うか」の資金計画表を受け取り、自己資金・住宅ローン・つなぎ融資でそれぞれの支払いを埋めることです。返済額だけでなく、融資実行までの資金と入居後の予備費まで確認できれば、自分に合う資金調達方法を選びやすくなります。