注文住宅の省エネ補助金には、国の「高性能な住宅を建てるための補助金」と、「省エネ設備を導入するための補助金」があります。代表例は、GX志向型住宅やZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)を対象にした制度です。
ただし、補助金の名称・金額・申請期限は年度ごとに変わります。注文住宅で利用できるかは、住宅性能、世帯条件、建築地域、着工時期、申請者と施工会社の条件によって決まります。
注文住宅で検討できる主な省エネ補助金
注文住宅では、次のような制度を優先して確認します。制度によっては、施主が直接申請するのではなく、登録された施工事業者が手続きを行います。
| 制度の種類 | 主な対象 | 確認する条件 |
|---|---|---|
| 新築住宅向けの省エネ補助金 | GX志向型住宅、長期優良住宅、ZEH水準住宅など | 断熱性能、省エネ性能、世帯条件、地域区分、申請時期 |
| ZEH向け補助金 | ZEH、ZEH+などの高性能住宅 | エネルギー削減率、太陽光発電、登録ビルダー、募集枠 |
| 高効率給湯器の補助金 | エコキュート、ハイブリッド給湯機、エネファームなど | 対象機種、設置時期、既存機器の撤去の有無、申請事業者 |
| 自治体の補助金 | 地域材、省エネ住宅、太陽光発電、蓄電池など | 自治体の所在地、予算、所得や居住の条件、併用可否 |
国の新築住宅向け補助金は住宅性能で判定される
国の新築住宅向け制度では、単に注文住宅であることだけでは足りません。断熱性能や一次エネルギー消費量などが、制度で定められた基準を満たす必要があります。
たとえば、過去の「子育てグリーン住宅支援事業」では、一定の省エネ性能を持つ新築住宅として、GX志向型住宅、長期優良住宅、ZEH水準住宅が区分されていました。年度によって対象区分や補助額は変わるため、過去の金額を現在の制度にそのまま当てはめないでください。
制度の対象になりそうかを判断するには、住宅会社に次の資料を確認します。
- 断熱等性能等級
- 一次エネルギー消費量等級
- ZEHまたはGX志向型住宅の基準を満たすか
- BELSなどの評価書を取得できるか
- 補助金の申請を行える登録事業者か
新築住宅向けの制度の内容や募集状況は、年度ごとに国土交通省などの案内で確認します。過去の制度例は子育てグリーン住宅支援事業の案内で確認できますが、現在の募集状況や次の制度を示すものではありません。
ZEHの補助金は注文住宅でも利用できる
ZEHとは、住宅の断熱性能を高め、省エネ設備を導入し、太陽光発電などで使うエネルギーを減らす住宅です。注文住宅でも、ZEHの基準を満たし、制度が指定する申請者や施工事業者の条件を満たせば補助対象になる場合があります。
ZEH関連の補助金で確認する主な条件は次のとおりです。
- 住宅がZEHまたはZEH+の基準を満たすこと
- 断熱性能や一次エネルギー消費量が基準を満たすこと
- 太陽光発電などの設備条件を満たすこと
- 登録されたZEHビルダー・プランナーが関わること
- 交付決定前に、対象となる工事を始めていないこと
ZEHの補助額や公募期間は年度によって異なります。最新年度の対象住宅、補助額、申請方法は、一般社団法人環境共創イニシアチブのZEH支援事業案内で確認してください。
高効率給湯器の補助金は設備単位で確認する
注文住宅では、住宅全体の補助金とは別に、高効率給湯器の導入を対象にした補助制度を検討できる場合があります。対象になりやすい設備には、ヒートポンプ給湯機、ハイブリッド給湯機、家庭用燃料電池などがあります。
ただし、すべての給湯器が対象になるわけではありません。対象機種の登録、性能要件、設置時期、申請する事業者などの条件があります。また、新築住宅への設置が対象になるか、既存給湯器の撤去が必要かも制度ごとに異なります。
給湯器の補助金を使う場合は、契約前に住宅会社へ次の点を確認してください。
- 設置予定の給湯器が対象機種か確認する。
- 新築住宅への設置が補助対象か確認する。
- 補助金申請を行う事業者が登録されているか確認する。
- 申請前に契約や着工をしても問題ないか確認する。
- 住宅本体の補助金と併用できるか確認する。
自治体の省エネ補助金も注文住宅の候補になる
自治体によっては、一定の断熱性能を持つ住宅、地域材を使った住宅、太陽光発電、蓄電池、省エネ給湯器などを対象にした補助制度があります。ただし、自治体の所在地が分からない状態では、利用できる制度や金額は判断できません。
自治体の制度を調べるときは、建築予定地の市区町村と都道府県について、次の項目を確認します。
- 注文住宅の新築が対象か
- 申請者が居住することを条件としているか
- 住宅の断熱性能や設備性能の基準があるか
- 工事の着手前に申請が必要か
- 国の補助金と併用できるか
- 予算終了や申請期限になっていないか
「省エネ住宅」という名称でも、対象となる性能や申請時期は自治体ごとに違います。市区町村の公式サイトで制度を確認し、住宅会社にも同じ制度を確認してもらうと、条件の見落としを減らせます。
注文住宅の補助金を使うための確認手順
補助金を利用したい場合は、間取りや設備を決めた後ではなく、住宅会社を選ぶ段階から確認することが重要です。
- 建築予定地を決める。
自治体の補助金は、建築地によって利用できる制度が変わります。 - 希望する住宅性能を決める。
ZEH、GX志向型住宅、長期優良住宅など、目指す基準を住宅会社に伝えます。 - 住宅会社に対象制度を確認する。
登録事業者であるか、申請を代行できるか、申請手数料がかかるかを確認します。 - 補助対象になる契約・着工時期を確認する。
制度によっては、交付決定前の着工が補助対象外になることがあります。 - 補助金を差し引く前の資金計画を立てる。
補助金は採択や予算上限の影響を受けるため、最初から確実に受け取れるものとして計算しないことが大切です。 - 申請完了と実績報告の方法を確認する。
申請だけでなく、工事完了後の報告や書類提出が必要な制度もあります。
補助金の対象にならないことがあるケース
省エネ性能が高い住宅でも、次のような場合は補助対象外になる可能性があります。
- 補助金の対象となる性能基準を満たしていない
- 申請期限や予算上限を過ぎている
- 交付決定前に対象工事を始めている
- 施工会社が制度の登録事業者ではない
- 国や自治体の補助金を重複して受け取れない
- 対象設備ではない機種を設置している
- 申請書類や性能証明書を提出できない
特に注意したいのは、住宅会社から「補助金を使える予定」と説明されても、交付決定や予算確保が完了したとは限らない点です。契約前に、対象制度名、補助対象額の計算方法、申請者、申請時期、補助金を受け取れなかった場合の負担について、書面で確認してください。
注文住宅の省エネ補助金は住宅会社への確認から始める
注文住宅で利用できる省エネ補助金は、主に新築住宅の性能を対象にする制度、ZEH向け制度、高効率給湯器の制度、自治体の制度です。対象になるかどうかは、住宅の性能だけでなく、世帯条件、地域、施工会社、申請と着工の時期によって決まります。
まずは建築予定地を決めたうえで、住宅会社に「利用できる制度名」「対象性能」「申請期限」「着工してよい時期」「補助金を受け取れない場合の扱い」を確認してください。年度が変わると制度や金額も変わるため、過去の補助額ではなく、契約時点の公式情報を基準に判断しましょう。







