注文住宅の建築費以外にかかる諸費用は?

注文住宅の建築費以外にかかる諸費用は?

注文住宅では、建物本体の建築費以外にも、設計料・申請費用・登記費用・住宅ローンの手数料・税金・火災保険料などがかかります。建築費以外の諸費用は、建物本体価格の1割前後を目安に考えることが多いものの、土地の有無、地盤改良、外構工事、借入額などによって大きく変わります。

特に、広告の「建物本体価格」に外構工事や照明、カーテン、各種申請費用が含まれていないケースがあるため、見積書で含まれる範囲を確認することが大切です。

注文住宅で建築費以外にかかる主な諸費用

諸費用は、契約から引き渡し後までのさまざまな場面で発生します。主な費用を、建物本体価格に含まれないことが多い項目と、条件によって発生する項目に分けて確認しましょう。

費用の種類 主な内容 発生するタイミング
設計・申請関連費用 設計料、建築確認申請、各種検査など 着工前から完成時
土地関連費用 仲介手数料、登記、測量、地盤調査など 土地購入時から着工前
工事関連費用 地盤改良、外構、給排水引込、解体など 着工前から工事中
住宅ローン関連費用 融資手数料、保証料、印紙税など ローン契約時
税金・登記費用 印紙税、登録免許税、不動産取得税など 契約時から入居後
保険・引っ越し費用 火災保険、地震保険、引っ越し、家具など 引き渡し前後

設計・申請にかかる費用

注文住宅では、設計や行政への申請に関する費用が発生します。これらを建築費に含める会社もありますが、別途請求される場合もあります。

  • 設計料・設計管理料
  • 建築確認申請費用
  • 各種検査費用
  • 長期優良住宅などの認定申請費用
  • 性能評価や省エネ関連の申請費用

認定住宅や補助制度を利用する場合は、申請費用や追加の設計費用が必要になることがあります。申請すれば必ず補助金を受け取れるとは限らないため、対象条件や申請期限も確認します。

土地を購入する場合にかかる費用

土地を購入して家を建てる場合、土地代以外にも購入手続きに伴う費用がかかります。土地をすでに所有している場合は、仲介手数料など一部の費用は発生しません。

  • 不動産会社への仲介手数料
  • 売買契約書の印紙税
  • 所有権移転登記の費用
  • 住宅ローンを利用する場合の抵当権設定登記
  • 司法書士への報酬
  • 土地の測量費用
  • 土地の境界確認にかかる費用

仲介手数料は、仲介会社を通して土地を購入する場合に発生します。売主から直接購入する場合など、取引の形によっては発生しないこともあります。

地盤調査・地盤改良にかかる費用

建物を建てる前には、地盤の状態を調べる地盤調査を行います。調査の結果、建物を支えるための対策が必要と判断されると、地盤改良工事が追加されます。

地盤調査だけで済むか、改良工事まで必要になるかは、土地の地質や建物の重さなどによって異なります。地盤改良が必要かどうかは、土地を見ただけでは判断できないため、調査前に金額を確定できない場合があります。

見積書に「地盤改良費一式」などの項目がある場合は、工事を行わない場合の扱いと、追加費用が発生する条件を確認しておきましょう。

建物以外の工事にかかる費用

建物本体とは別に、敷地を使える状態にする工事や、生活に必要な設備工事が必要になることがあります。

  • 外構工事
  • 駐車場やアプローチの工事
  • 門柱、フェンス、塀、ウッドデッキなどの設置
  • 上下水道やガスの引き込み
  • 電気の引き込み
  • 古い建物の解体工事
  • 造成工事や擁壁工事
  • 照明器具やカーテンの取り付け
  • エアコンの購入・設置

外構工事は、建物本体の見積書に含まれず、別の見積もりになることがあります。フェンスや駐車場など、入居時から必要な工事を後回しにすると、予算不足になりやすいため、早い段階で計画に入れます。

住宅ローンに関する諸費用

住宅ローンを借りる場合は、借入金とは別に手数料や税金がかかります。金融機関やローン商品によって内容が異なるため、金利だけでなく諸費用を含めて比較します。

  • 融資事務手数料
  • 保証料
  • 金銭消費貸借契約書の印紙税
  • 抵当権設定登記の登録免許税
  • 司法書士への報酬
  • つなぎ融資の手数料や利息

注文住宅では、建物が完成する前に土地代や着工金、中間金の支払いが必要になることがあります。住宅ローンの実行時期が完成後の場合は、つなぎ融資などの資金調達が必要になる可能性があります。

つなぎ融資を使うかどうかは、自己資金、土地の決済時期、建築会社への支払い条件によって変わります。契約前に、いつ、いくら支払う必要があるかを確認してください。

税金・登記にかかる費用

注文住宅では、契約、土地の購入、建物の完成や入居に伴って税金や登記費用が発生します。

  • 土地・工事請負契約書の印紙税
  • 土地の所有権移転登記費用
  • 建物の表題登記・所有権保存登記費用
  • 住宅ローンを利用する場合の抵当権設定登記費用
  • 不動産取得税
  • 固定資産税・都市計画税

税額は、土地や建物の評価額、自治体、軽減措置の適用などによって変わります。固定資産税などは、購入時に一度だけ払う費用ではなく、所有している間に継続して発生する税金です。

軽減措置には適用期限や床面積などの条件があるため、「税金はかからない」と決めつけず、対象となるかを自治体や税務の窓口で確認しましょう。

火災保険・地震保険にかかる費用

住宅の引き渡しに合わせて、火災保険への加入を検討します。地震保険は火災保険に付帯する形で加入する仕組みです。

保険料は、建物の構造、所在地、補償内容、保険期間などによって変わります。水災補償を付けるか、地震保険に加入するかによっても金額が変わるため、保険料だけでなく必要な補償とのバランスで決めます。

引っ越し・家具・家電にかかる費用

入居時には、引っ越し代のほか、家具や家電の購入費用も必要になります。建物の見積書に含まれないことが多い、見落としやすい費用です。

  • 引っ越し料金
  • 家具・カーテン・照明器具
  • エアコンや冷蔵庫などの家電
  • インターネット回線の工事費
  • 旧居の退去費用
  • 仮住まいの家賃や引っ越し費用

建て替えの場合は、現在の家の解体から新居の完成まで仮住まいが必要になることがあります。仮住まいの家賃だけでなく、荷物の保管料や引っ越しが複数回になる費用も計画に入れておきます。

諸費用はいくら用意すればよい?

一般的な目安として、建物本体価格以外の諸費用を建物本体価格の1割前後で考える方法があります。ただし、これはあくまで予算計画の目安であり、土地購入の有無や外構工事、地盤改良の必要性によって大きく変わります。

土地も購入する場合は、土地代に加えて土地の仲介手数料や登記費用などが発生します。さらに、土地代と建物代を合わせた借入額が大きくなると、住宅ローン関連費用も増えることがあります。

たとえば、計算例として建物本体価格を2,500万円と仮定し、諸費用を10%で見積もると、計算は次のとおりです。

2,500万円 × 10% = 250万円

この場合、建物本体価格とは別に250万円を見込む計算になります。ただし、この計算例には、土地代や大規模な地盤改良、解体工事、家具・家電などが含まれていない可能性があります。実際の予算では、項目ごとの見積もりを合計して確認してください。

見積書で確認する項目

建築費以外の諸費用を把握するには、総額だけでなく、見積書の項目ごとに「含まれているか」「別途か」を確認します。

  • 設計料や建築確認申請費用は含まれているか
  • 地盤調査費と地盤改良費は含まれているか
  • 外構工事の範囲と金額は明記されているか
  • 水道・ガス・電気の引き込み費用は含まれているか
  • 照明、カーテン、エアコンは含まれているか
  • 登記、ローン、火災保険の費用を誰が手配するか
  • 追加工事が発生する条件は何か
  • 契約時、着工時、中間時、引き渡し時の支払額はいくらか

「一式」と書かれている項目は、内容や数量が分からないことがあります。何が含まれるのか、含まれない場合はいくら程度を見込むのかを担当者に確認し、複数の見積書で同じ条件を比べることが重要です。

建築費以外の諸費用を予算化するポイント

最初に、建物本体価格だけでなく、土地、工事、ローン、税金、保険、入居の費用を分けて一覧にします。そのうえで、金額が未確定の項目には予備費を設定します。

  1. 建物本体価格に含まれる工事と、別途工事を確認する
  2. 土地購入や建て替えの有無を整理する
  3. 地盤改良、外構、解体など条件で変わる費用を確認する
  4. ローンの支払時期と手数料を確認する
  5. 税金、保険、登記、引っ越し費用を別枠で見積もる
  6. 未確定の費用を残したまま、予算の上限まで契約しない

注文住宅の予算は、建物本体価格だけで判断できません。建物本体価格、建築費以外の諸費用、土地代、入居後の生活費を分けて考えると、必要な資金を把握しやすくなります。

まずは施工会社に「建物本体に含まれない費用をすべて一覧にしてください」と依頼し、土地・工事・ローン・税金・保険・引っ越しの項目を一つずつ確認しましょう。