注文住宅の土地と建物は、同じ日に契約できる場合があります。ただし、土地の売買契約と建物の請負契約は別の契約です。土地・建物を一体の契約として扱えるとは限らず、土地の契約後に建物の内容や請負金額を決めるケースもあります。
土地と建物を同時に契約する主な方法
「同時契約」と呼ばれる方法には、主に土地と建物の契約書を同じ日に締結する方法と、土地の購入を前提に建物を建築する方法があります。
別々の契約を同じ日に締結する
土地については売買契約、建物については工事請負契約を結びます。契約書は別々ですが、日程を合わせて同じ日に手続きをすることは可能です。
この場合、土地の所有権を取得する契約と、住宅会社に建物の工事を依頼する契約を、それぞれ確認する必要があります。建物の間取り、仕様、追加工事、支払条件などが十分に決まっていない状態で契約すると、後から費用が増える可能性があります。
建築条件付き土地を購入する
建築条件付き土地では、土地の売主などが指定する建築会社と、一定期間内に建物の工事請負契約を結ぶことが条件になります。
土地の売買契約と建物の請負契約を同時に結ぶこともありますが、建物の計画が十分に固まっているかを確認しなければなりません。土地の契約だけを先に結び、後から建物の内容を打ち合わせる場合もあります。
建物の請負契約が成立しなかった場合の土地契約の扱いは、契約書の解除条件や預り金の返還条件によって異なります。建築条件付き土地を契約するなら、建物の請負契約が成立しなかったときに、土地契約を解除できるのか、支払った金銭が返還されるのかを契約前に確認してください。
同時に契約するメリットと注意点
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メリット | 土地と建物の計画をまとめて進めやすく、住宅ローンや資金計画を組みやすい場合がある |
| 注意点 | 土地の契約後に建物の内容を変更しにくくなったり、予算を超える追加費用が発生したりすることがある |
| 契約上の注意 | 土地売買契約と工事請負契約は別契約のため、一方を解除したときにもう一方も解除できるとは限らない |
同時契約の大きな利点は、土地代、建築費、諸費用をまとめて検討しやすいことです。一方で、契約を急ぐと、間取りや設備の確認が不十分なまま工事請負契約を結ぶことになりかねません。
特に注意が必要なのは、契約後の変更費用です。地盤改良工事、外構工事、照明、カーテン、給排水工事、登記費用、住宅ローンの諸費用などが見積もりに含まれているかを確認しましょう。
同時契約の前に確認すること
契約日を決める前に、土地と建物を分けて確認すると、見落としを減らせます。
- 土地の売買価格、手付金、残代金の支払日
- 土地の引き渡し時期と所有権移転の時期
- 建物の本体工事費と、付帯工事費・諸費用の内訳
- 間取り、延床面積、構造、断熱性能、設備の仕様
- 地盤調査や地盤改良工事の費用を誰が負担するか
- 外構、造成、上下水道、ガス、照明、カーテンの費用が含まれるか
- 工事請負契約後に変更できる範囲と、変更時の費用
- 土地契約と建物請負契約の解除条件
- 住宅ローンの審査が否決された場合の取り扱い
- 契約を解除した場合に、手付金や申込金が返還されるか
「建物価格」と表示されていても、住宅を完成させて住み始めるまでに必要な費用がすべて含まれているとは限りません。見積書では、本体工事費だけでなく、別途工事費と諸費用を含めた総額を確認してください。
土地と建物の契約はどちらを先に確認するべきか
土地を先に決める場合でも、契約前に建物の概算を確認することが重要です。土地の形状、道路との接し方、高低差、用途地域、建ぺい率・容積率などによって、建てられる住宅の大きさや必要な工事が変わるためです。
土地だけを見て購入を決めると、希望する間取りが入らない、造成費や地盤改良費が高くなるといった問題が起きることがあります。契約前に、建築を依頼する会社へ敷地を見てもらい、希望する建物が建てられるか確認しましょう。
反対に、建物の工事請負契約を先に結ぶ場合は、建築予定地が確定しているか、土地を取得できなかった場合に契約を解除できるかを確認します。土地と建物の契約が別々である以上、土地を取得できなければ建物を建てられないという関係を、契約書上でも確認する必要があります。
同時契約を急がないほうがよいケース
次のような場合は、土地と建物を同じ日に契約することより、契約条件の確認を優先してください。
- 間取りや設備がまだ大きく変わる可能性がある
- 見積もりに含まれる工事と含まれない工事が分からない
- 土地の契約を解除できる条件が説明されていない
- 住宅ローンの借入額や審査結果が確定していない
- 「今日契約すれば値引きする」などの理由で判断を急かされている
- 土地契約と建物請負契約の関係が書面で説明されていない
契約を急ぐと、土地を手放したくない気持ちから、建物の内容や費用を十分に検討できないことがあります。契約書、重要事項説明書、見積書、図面を持ち帰って確認できるか、契約前に担当者へ確認しましょう。
注文住宅の土地と建物を同時契約するときの進め方
- 土地の条件を確認する
所在地、面積、接道状況、用途地域、建ぺい率・容積率、上下水道、造成の必要性を確認します。 - 希望する建物が建つか確認する
敷地に希望の間取りや駐車場を配置できるか、建築会社に確認します。 - 建物の総額を出す
本体工事費だけでなく、付帯工事費、外構費、地盤改良費、設計費、登記費用などを含めて資金計画を作ります。 - 土地契約と建物契約の関係を確認する
一方の契約が成立しない場合や解除された場合に、もう一方がどうなるかを契約書で確認します。 - 契約書類を確認してから署名する
土地売買契約書、重要事項説明書、工事請負契約書、見積書、図面、仕様書の内容を照合します。
契約書に書かれていない説明や口頭の約束がある場合は、契約書や別紙に記載できるか確認してください。書面に残っていない内容は、後で認識の違いが起きる可能性があります。
土地と建物の同時契約についての結論
注文住宅の土地と建物は、同じ日に契約できる場合がありますが、通常は土地売買契約と建物工事請負契約という別々の契約です。同時に契約すること自体よりも、土地と建物の契約がどのように結び付いているかが重要です。
契約前には、建物の総額、追加費用、解除条件、住宅ローンが利用できない場合の扱いを確認してください。内容が固まっていないのに契約を急ぐのではなく、土地と建物の両方を確認してから判断することが大切です。







