注文住宅の住宅ローンにかかる諸費用とは、借入金そのものとは別に、ローンの契約・実行や担保設定のために支払う費用です。主なものは、融資事務手数料、保証料、印紙税、抵当権設定費用などです。
注文住宅では、住宅ローンの費用だけでなく、土地の購入費用、登記費用、火災保険料、着工金や中間金に対応するつなぎ融資の費用なども必要になることがあります。銀行に支払う費用と、家づくり全体にかかる諸費用を分けて確認することが大切です。
住宅ローンの主な諸費用
住宅ローンに直接かかる費用は、金融機関や借入方法によって異なります。契約前に、金額だけでなく「いつ支払うか」「現金で必要か」「借入額に含められるか」も確認しましょう。
| 費用 | 内容 | 金額の決まり方 |
|---|---|---|
| 融資事務手数料 | 住宅ローンの申込みや融資に対して金融機関へ支払う手数料 | 定額型または借入額に一定割合をかける方式 |
| 保証料 | 保証会社の保証を利用するための費用 | 一括払いまたは金利に上乗せする方式など |
| 印紙税 | 紙の金銭消費貸借契約書に貼る税金 | 契約金額や契約方法によって異なる |
| 抵当権設定費用 | 土地や建物を担保にするための登記費用 | 登録免許税と司法書士報酬など |
| 団体信用生命保険料 | 契約者に万一のことがあった場合に、ローン残高を保障する保険の費用 | 通常の保障が金利に含まれる場合や、保障内容により金利が上乗せされる場合がある |
| 融資関連のその他手数料 | 条件変更、繰り上げ返済、電子契約などに関する手数料 | 金融機関や手続きの内容によって異なる |
融資事務手数料
融資事務手数料は、住宅ローンを借りる際に金融機関へ支払う手数料です。借入額に一定割合をかける「定率型」と、金額をあらかじめ定めた「定額型」があります。
たとえば、仮に借入額4,000万円で融資事務手数料が2.2%の場合、計算上は次の金額です。
4,000万円×2.2%=88万円
これは計算例であり、実際の手数料率や税の扱いは金融機関によって異なります。定率型は借入額が大きいほど手数料も増えるため、定額型との総額を比較してください。
保証料
保証料は、返済が難しくなった場合に備えて保証会社を利用するための費用です。保証会社が返済を肩代わりしても、借りた人の返済義務がなくなるわけではありません。
保証料には、契約時にまとめて支払う方式と、借入期間中の金利に上乗せして支払う方式があります。金融機関によっては保証料が不要でも、別の融資手数料が必要なことがあるため、「保証料なし」だけで安いと判断しないようにしましょう。
印紙税
紙で住宅ローンの契約書を作成する場合、契約金額に応じた印紙税がかかります。電子契約を利用できる場合は取り扱いが異なるため、紙の契約書を作るのか、電子契約を利用するのかを確認してください。
注文住宅では、土地の購入、建物の請負契約、住宅ローン契約など、複数の契約を結ぶことがあります。それぞれの契約に印紙税がかかるかどうかは、契約内容と契約方法によって判断されます。
抵当権設定登記の費用
金融機関から住宅ローンを借りると、土地や建物に抵当権を設定する登記を行います。費用には、国に納める登録免許税と、登記を依頼する司法書士の報酬などが含まれます。
登録免許税は、借入額や利用する制度によって扱いが変わることがあります。土地を先に購入する場合は土地の所有権移転登記、建物完成時には建物表題登記や所有権保存登記なども必要になるため、抵当権設定だけの費用と混同しないことが重要です。
注文住宅では住宅ローン以外の諸費用も必要
注文住宅の資金計画では、住宅ローンの契約費用だけでなく、土地・建物の取得や建築に伴う費用も含めて考えます。これらはローンの諸費用ではありませんが、自己資金や借入金から支払うことが多いため、同時に確認が必要です。
- 土地の仲介手数料
- 土地の売買契約にかかる印紙税
- 土地の所有権移転登記費用
- 建物の表示登記・保存登記費用
- 建築請負契約にかかる費用
- 火災保険料・地震保険料
- 固定資産税・都市計画税の精算金
- 地盤調査費、地盤改良費
- 上下水道の引込費用
- 外構工事費
- 引っ越し費用や家具・家電の購入費
特に、外構工事、地盤改良、照明、カーテン、エアコンなどは、建物本体の見積もりに含まれていないことがあります。「本体価格に含まれるもの」と「別途必要なもの」を、ハウスメーカーや工務店に分けて確認してください。
注文住宅で注意したい「つなぎ融資」の費用
注文住宅では、土地代、着工金、中間金、完成時の残金など、建物が完成する前にまとまった支払いが発生することがあります。住宅ローンは建物完成時に実行されることが多いため、先に必要な資金をつなぎ融資で借りる場合があります。
つなぎ融資を利用すると、通常の住宅ローンとは別に、次のような費用がかかることがあります。
- つなぎ融資の利息
- つなぎ融資の事務手数料
- 契約書の印紙税
- 融資期間中の振込手数料など
つなぎ融資の利息は、借入額、金利、借入期間によって変わります。仮に100万円を年2%で3か月借りた場合、単純計算では次のとおりです。
100万円×2%×3か月÷12か月=5,000円
実際には金融機関の計算方法や手数料などが加わるため、これは仕組みを示すための計算例です。土地の決済日や着工金・中間金の支払日が決まったら、つなぎ融資を利用する期間を金融機関に試算してもらいましょう。
諸費用はいくら用意すればよい?
必要な金額は、借入額、土地の有無、契約数、建築会社、金融機関、つなぎ融資の利用有無によって大きく変わります。そのため、決まった一つの金額を当てはめるのではなく、項目ごとに見積もる必要があります。
計算するときは、次のように分けると整理しやすくなります。
- 住宅ローン契約にかかる費用
- 土地購入にかかる費用
- 建物の登記や保険にかかる費用
- つなぎ融資にかかる費用
- 建物本体以外の工事費
- 引っ越しや家具・家電などの費用
住宅ローンに諸費用を含めて借りられるかどうかは、金融機関や費用の種類によって異なります。借入額を増やすと手元資金は残しやすくなりますが、毎月の返済額や利息の総額は増えるため、借りられる金額ではなく返済できる金額で判断しましょう。
資金計画で確認する3つのポイント
注文住宅の住宅ローン諸費用は、見積書と支払時期を照らし合わせると確認漏れを防ぎやすくなります。
- 見積書を「本体工事費」と「別途費用」に分ける。
外構、地盤改良、照明、カーテン、エアコン、各種登記などがどちらに含まれるかを確認します。 - 支払う時期を一覧にする。
土地の契約時、土地の決済時、着工時、上棟時、建物完成時、ローン実行時などに分け、手元資金が不足しないか確認します。 - 金融機関に諸費用の一覧と借入対象を確認する。
融資事務手数料、保証料、つなぎ融資費用、登記費用、保険料などについて、金額・支払日・借入対象になるかを確認します。
住宅ローンの諸費用を比較するときの注意点
金融機関を比較するときは、金利だけでなく、融資事務手数料、保証料、団体信用生命保険の上乗せ金利、つなぎ融資の条件まで確認します。
たとえば、金利が低いローンでも手数料が高い場合があります。一方で、手数料が低くても金利が高い場合は、返済期間によって総支払額が大きくなる可能性があります。
比較表には、少なくとも次の項目を並べると判断しやすくなります。
| 比較項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 融資事務手数料 | 定額か定率か、消費税の扱い、支払時期 |
| 保証料 | 一括払いか金利上乗せか、保証料不要の場合の別手数料 |
| 団体信用生命保険 | 基本保障の範囲、保障を追加した場合の金利上乗せ |
| つなぎ融資 | 利用できるか、金利、手数料、借入期間 |
| 登記関連費用 | 金融機関指定の司法書士がいるか、報酬を含む見積額 |
| 繰り上げ返済 | 手数料の有無と手続き方法 |
まとめ
注文住宅の住宅ローン諸費用には、融資事務手数料、保証料、印紙税、抵当権設定費用、団体信用生命保険に関する費用などがあります。さらに、注文住宅では土地の登記費用、火災保険、外構工事、つなぎ融資の利息などが別に必要になることがあります。
最初に、土地・建物・住宅ローンの費用を項目別に分け、支払時期と借入対象を一覧にしてください。そのうえで、金融機関と建築会社から同じ条件の見積もりを取り、借入額だけでなく諸費用を含めた総支払額で比較することが大切です。







