注文住宅のインナーガレージにかかる費用は、1台分でおおむね300万〜600万円、2台分で500万〜900万円程度が目安です。ただし、これは建物本体に組み込むガレージ部分の概算で、土地代や外構費、地盤改良費は含みません。
実際の金額は、車の台数と広さ、シャッターの種類、構造計算の有無、地盤や敷地の条件によって大きく変わります。見積もりでは「ガレージ部分だけの価格」ではなく、建物全体の構造や設備への追加費用も確認することが大切です。
インナーガレージの費用目安
一般的な木造の注文住宅にインナーガレージを設ける場合、広さ別の費用目安は次のとおりです。
| ガレージの規模 | 広さの目安 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 普通車1台分 | 約15〜20㎡ | 約300万〜600万円 |
| 普通車2台分 | 約30〜40㎡ | 約500万〜900万円 |
| 大型車・収納付き | 上記より広い場合 | 600万円超になることがある |
上記はあくまで計画初期の目安です。住宅会社によって、インナーガレージを通常の延床面積と同じ単価で計算する場合と、ガレージ部分に別の単価を設定する場合があります。また、消費税を含むかどうかも見積書ごとに異なるため、金額だけで比較しないようにしましょう。
インナーガレージの費用が高くなりやすい理由
インナーガレージは、屋外のカーポートや別棟の簡易ガレージと違い、住宅の一部としてつくります。そのため、車を置く床だけでなく、建物を支える構造や防水、換気などにも費用がかかります。
柱や壁を減らすための構造補強
ガレージの出入口を広く取ると、1階の柱や耐力壁が少なくなります。耐力壁とは、地震や風による力に耐える壁のことです。
柱や壁を減らした分、梁を大きくしたり、鉄骨などで補強したりすることがあります。特に、ガレージの上に居室を設ける場合は、上階の重さを支えるための構造検討が必要です。
シャッターや開閉装置
電動シャッターを選ぶと、手動タイプより本体価格や電気工事費が高くなります。防犯性や操作性を重視する場合には便利ですが、シャッターの大きさや性能によって価格は変わります。
2台分の間口を1枚の大きなシャッターにするか、1台ずつ2枚に分けるかでも費用や使い勝手が異なります。見積もりでは、シャッター本体だけでなく、モーター、配線、リモコン、取り付け費を含むか確認してください。
床・壁・天井の仕上げ
ガレージの床には、一般的にコンクリートを使います。勾配をつけて排水しやすくしたり、滑りにくい仕上げにしたりすると、標準仕様から追加費用が発生することがあります。
壁や天井に断熱材を入れる、塗装する、照明を増やすといった仕上げも費用に影響します。ガレージを車の保管だけに使うのか、収納や作業スペースとして使うのかで必要な設備は変わります。
換気・照明・コンセント
インナーガレージでは、排気ガスや湿気がこもらないよう換気設備を検討します。照明、電動工具用のコンセント、洗車用の水栓、電気自動車用の充電設備を追加すると、その分の工事費がかかります。
特に電気自動車の充電設備は、分電盤からガレージまでの距離や電気容量によって工事内容が変わります。将来設置する予定がある場合は、建築時に配管だけ準備できるか住宅会社へ確認するとよいでしょう。
費用を左右する主な条件
同じ1台用のインナーガレージでも、次の条件によって費用は変わります。
- ガレージの広さと間口
- 普通車か大型車か
- ガレージの上に部屋をつくるか
- 木造、鉄骨造などの構造
- 電動シャッターか手動シャッターか
- 換気扇、照明、コンセントの数
- 水栓や排水設備の有無
- 地盤改良や基礎補強の必要性
- 敷地の高低差や前面道路の幅
たとえば、車1台を置くだけのシンプルなガレージと、収納棚・作業台・水栓・電動シャッターを備えたガレージでは、必要な工事が異なります。「1台分だから同じ金額」とは限りません。
インナーガレージの広さはどれくらい必要か
普通車1台分でも、車体ぎりぎりの寸法にすると乗り降りや荷物の出し入れが難しくなります。目安として、車を置く部分だけでなく、左右のドアを開けるスペースや通路も確保します。
計画例として、間口約3m、奥行き約6mなら約18㎡です。これはあくまで計算例であり、車種、柱の位置、シャッターの納まりによって必要な寸法は変わります。
2台分の場合は、単純に1台分を2倍にするだけでなく、車同士の間隔や出入りのしやすさも考えます。将来、車のサイズが変わる可能性がある場合は、現在の車体寸法だけで決めないことが重要です。
見積もりで確認する項目
インナーガレージの費用を正確に比較するには、住宅会社に次の項目を分けて記載してもらいます。
- ガレージの床面積と内寸を確認する。
- 基礎、柱、梁、耐力壁などの構造費を確認する。
- シャッターの種類、サイズ、電動・手動の別を確認する。
- 床のコンクリート、排水、換気、照明の費用を確認する。
- コンセント、水栓、収納、充電設備の費用を確認する。
- 地盤改良費や追加の構造計算費が含まれているか確認する。
- 消費税、諸経費、設計料がどの金額に含まれるか確認する。
「ガレージ本体300万円」と書かれていても、シャッターや換気、電気工事が別途なら、最終的な追加額は大きくなります。見積書では、標準仕様に含まれるものとオプション扱いのものを分けて確認しましょう。
土地代や外構費は別に考える
インナーガレージの費用目安には、通常、土地代は含まれません。ガレージを設けるために広い土地が必要になる場合は、建物費用だけでなく土地取得費も増える可能性があります。
また、敷地と道路に高低差がある場合は、擁壁や土留め、アプローチ、車の出入り口の工事が必要になることがあります。これらはインナーガレージ本体とは別の外構費として計上されることが多いため、総額を確認するときに分けて考えます。
費用を抑えるときの考え方
費用を抑えたい場合は、まず必要な広さと設備を決め、使わない機能を追加しないことが基本です。
- 車種に対して広すぎる寸法にしない
- シャッターの数やサイズを必要以上に増やさない
- 収納や作業スペースを別の場所と重複させない
- 水栓や充電設備など、使用目的に必要な設備だけを選ぶ
- 間取りを早い段階で決め、後からの大幅な変更を避ける
ただし、柱を減らす、換気を省く、排水計画を簡略化するといった方法は、使い勝手や建物の性能に関わります。価格だけで削らず、構造や安全に関係する部分は住宅会社に理由を確認してください。
注文住宅のインナーガレージ費用を判断するポイント
注文住宅のインナーガレージは、1台分なら300万〜600万円、2台分なら500万〜900万円程度を計画初期の目安にできます。ただし、電動シャッターや高い防犯性能、収納、充電設備、地盤改良などを加えると、目安を超えることがあります。
最初に行うことは、車種と台数、必要な収納や設備を決めたうえで、住宅会社に「ガレージ本体」「設備」「外構」「地盤改良」を分けた見積もりを依頼することです。複数社で同じ条件の見積もりを比べると、どの工事が費用差につながっているか判断しやすくなります。







